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本記事は学会発表・ジャーナルに投稿するまでの流れにおける最初のステップとして、LABで実施している研究計画のつくりかたを紹介します。

研究計画をどうつくるのか?

まずは自身の研究テーマを定めることでしょう。このプロセスは真っ白なキャンバスに描いていくが如く、自身で課題を定義して、論を展開していくというプロセスになります。真っ白であり、はじめは土地勘もないが故に、何度も行ったり来たりを繰り返しということがずっとずっと続いていきます。常にブラッシュアップというイメージです。

最初のステップ

最初の入り口であるテーマからなかなか全体像をつかめず、深掘っていけないことは多々あります。最初のうちは、内容はなんであれ、「論点を明確にして、どういう論展開をしていくと良いのか」、というところにフォーカスしていくと良いと考えています。

そのためのトレーニングとして 研究計画書(テンプレート) を用意しました。

研究計画書

まずは書き始めて言語化することが重要です。それをもって、専門の方と議論をしながら、内容をブラッシュアップしていくことが研究をかたちづくるステップになると思います。ぜひ参考にされてみてください。
(本テンプレートは読み手視点で作成しています。)

補足1: テーマの決め方

これはとても難しいテーマです。自身がやってみたいと思っていることもあれば、時流・ニーズから考えること、具体的な共同研究先があることなど、きっかけはさまざまでしょう。概念構築ができていない状態でテーマを追求し始めると迷宮入りしがちです。一つの観点としては、深くこだわらず、より自分が成長できそうかであったり、納得できるきっかけかどうかで判断する程度で良いのではないかと思います。

個人的にプロの研究者をみていると、着想が湧くと瞬時にとりかかり一つのテーマをつくっていかれているというイメージがあります。ちなみにテーマ選定については、伊丹敬之先生の「創造的論文の書き方」をおすすめします。

補足2: 主体的に決める

よく研究室に所属すると、その研究室の先輩たちが伝統的に実施している内容や、研究室のなかで現在動いている研究プロジェクトの一部が割り当てられて研究テーマになることがあります。もともと学びたい分野であればありがたい話であると思います。他方、これまで私がみてきたそういった学生多くはやや受け身に感じられることがよくありました。研究はそもそも能動的な営みです。きっかけは何にしろ、主体的に取り組むという姿勢だけは崩すべきではないでしょう。

執筆: 仙石裕明